北九州で読まれた句


昭和五年

         1、しぐるゝや煙突数のかぎりなく   (八幡風景)

         1、水をたゝえわが影うつる      (水源地風景二句)

         1、をりをり羽ばたく水鳥の水

昭和七年

         1、たびのこどもが犬ころを持っている

         1、けうもいちにち風をあるいてきた

         1、山ふところの水涸れて白い花

         1、風のトンネルぬけてすぐ乞いはじめる

         1、もう葉桜となって濁れる水に

         1、煙突みんな煙を吐く空に雲がない  (八幡製鉄所)

         1、帆柱ばつかりそうして煙突ばつかり (若松から八幡西へ)

         1、鉄鉢の中へも霰

         1、春欄そうして新聞

         1、生きて還つてきた空の飛行機低う  (門司埠頭凱旋中)

         1、ボタ山へ月見草咲きつゞき

         1、人の子竹の子ぐいぐい伸びろ    (酒壷洞君第二世出生)

         1、ばたり落ちてきて虫が考えてゐる

         1、水音、なやましい女がをります           
戻る

昭和9年

         1、そこらを船が行ったり来たり    (壇ノ浦)

         1、鴎が舞へば松四五本の春風     (厳流島)

         1、病人かろがろとヱレヴェーター   (若松病院)
    
        1、あんたとわたしをつないで雨ふる渡船(戸畑から若松へ入雲洞君に)

    戸畑漁港(一)
         1、金バス銀バス渡船も旗立てゝ春風に (廿三日奉祝)

         1、海から風はまだ寒い大福餅(ダイフク)をならべ
     
         1、クレーンおもむろに張るがきてゐる空

         1、やたら汽笛が鳴るとつしりと舫った汽船(フネ)  

         1、今日がはじまる七輪の石炭(スミ)が燃えさかる

         1、バット吸ひきれば重い貨物で

         1、朝から安来節(ヤスキ)で裏は鉄工所           
   
    戸畑漁港(二)                        
 
戻る

         1、日向はぬくうて子供があつまる回転饅頭

         1、仕事すましてぶらさげてもどる太刀魚のひかる

         1、枯れ草に汐みちてくる何んにもゐない

         1、こんなに帆柱が、春風の、出る船入る船

         1、長屋の真昼はひっそりホウホケキョ

         1、もうあたゝかい砂の捨炭ひらうことも

         1、こんな水にも春の金魚が遊んでゐる

         1、かすんでけぶって山の街にも日の丸へんぽん

         1、今日の乞うことはやすくておいしい汁粉屋の角まで

         1、おぢいさんの髯のながさをおもちゃにして日向ぼっこ

         1、白い煙が黒い煙が煙突に煙突に

         1、食べものをうつくしくならべ煤がふる


おねがい
ここに書いてある句がすべてではありません、また補足するもの等教えていただいたらありがたいです。


戻る

SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送